蕁麻疹について

蕁麻疹は皮膚に赤く膨らんだかゆみをともなう皮疹が一時的に現れる病気で、ヒスタミン等の化学物質が症状を起こします。原因は多岐にわたり、しばしば寒暖差、ストレス、特定の食品、薬物などによって誘発されることがありますが、多くは原因不明です。

治療は抗ヒスタミン薬を中心とした内服治療が主体ですが、他にもアレルギーや浮腫を抑える内服薬を併用することがあります。抗ヒスタミン薬も多くの種類があり、患者さんにあった薬剤を選択し、適切な量を内服することが大切です。

お困りの方はご相談下さい。

特発性慢性蕁麻疹の注射治療(生物学的製剤)

基本的に適切な抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬を使用しても症状が抑えられない患者さんに適応となります。

ゾレア (オマリズマブ・抗IgE抗体)

蕁麻疹を起す原因の一つと考えられているgEが受容体に結合するのをブロックすることで、症状を抑制します。免疫的な機序でアレルギーを抑制するため、採血を行い、IgEがある程度高値の方が適応となります。

4週間または2週間ごとに皮下注射を行います。12歳以上の方が適応となります。主な副作用は注射部位のはれ赤みなどで、基本的には数日で治ります。稀ではありますが、重篤な副作用としてアナフィラキシーショックがあります。

デュピルマブ(デュピクセント®・IL-4/IL-13受容体モノクロナール抗体)

従来アトピー性皮膚炎の治療に使われていた注射薬ですが、ゾレアで効果の乏しい方・血清IgEが低い方にも効果を認めたことから近年保険適応となりました。慢性蕁麻疹に対しては12歳以上が適応となります。詳しくはこちら

どちらも花粉症や喘息症状に対しても効果があるため、これらを合併している方にもおすすめします。