虫、動物による皮膚炎
Top view grass moth, acronicta rumicis larvae, caterpillar climbing on leaves. Macro colored photo of animal

最近、疥癬やトコジラミ(南京虫)といった虫による強いかゆみをともなう皮疹がまた流行りだしています。疥癬は高齢者の施設での発症が多く、トコジラミは宿泊施設などで感染することが多いですが、最近は家庭内発症も多いです。再感染しないためには、衣類や寝具を洗ったり、駆除を行う必要もあります。

また頭ジラミなど、子供の間で時折流行るものもあります。これらは家族内で移りやすく、適切な診断と外用または内服で改善されるため、皮膚科受診をお勧めします。

蚊やぶよなどは市販の外用でも改善することは多いですが、子供など、炎症が強い場合は掻きこわして、二次感染を起こすこともあります。治りにくい場合は早めに適切な外用を行うことが大切です。

毛虫皮膚炎

初夏の前後、秋など、椿やサザンカなど毛虫の多い木の剪定から皮疹が出ることが多いです。毛虫の毛が皮疹を起こすため、毛がついた衣服などをよく洗う必要があります。

エイ、クラゲ刺症 

夏に多発する傾向があります。クラゲ皮膚炎は海で、泳いだ際にクラゲに触れて皮膚炎を起こします。線状の赤い湿疹が典型的で、ストロンゲストのステロイド外用剤や、抗アレルギー剤の内服などで加療します。酷い場合は、一時的にステロイドを内服する事もあります。

エイは毒針をもっているため、刺されると強い痛みを伴うことが多いです。毒針を取り除き、傷口をよく洗い、温めると痛みが緩和します。ムカデなども同様です。応急処置のあとは医療機関受診をお勧めします。

猫咬傷 

猫に咬まれると、深い傷が出来るため、パスツレラ菌の感染により、腫れたり高熱がでることがあります。抗菌薬の投与だけでなく、場合によっては切開なども必要です。よく洗浄していただき、早めに受診をおすすめします。

動物白癬

猫や牛など、動物による白癬は炎症が強く、湿疹と間違われることが多いため、注意が必要です。動物を飼っており、治りにくい皮疹のある方は早めに受診をおすすめします。

蜂刺症 ムカデ刺症

初回は痛みや腫れが強くなりますが、徐々に消退します。蜂は2回目以降に刺されるとアナフィラキシー(流涙、呼吸困難、血圧低下)症状を起こすこともあり、その様な方はエピペン(アドレナリン自己注射剤)の携帯をお勧めします。