
炎症性粉瘤(いわゆる粉瘤が炎症を起こした状態)
炎症性粉瘤は、皮膚の下に袋状の構造(粉瘤)ができ、その中に皮脂や角質などの老廃物が蓄積して成長する良性のしこりです。普段は痛みがないことも多いですが、外的刺激により、赤く腫れて痛みや熱感を伴う状態になります。炎症が強い場合は抗生物質の内服や切開・排膿を行い、腫れが落ち着いた後に、腫瘤そのものを摘出することで根治を目指すことが一般的です。にきびや毛嚢炎などと異なり、袋状の構造を形成するしこりそのものが病変である点が特徴です。炎症を繰り返すと周囲組織と癒着したり、治療が難しくなることがあるため、早めの受診が大切です。
慢性膿皮症(化膿性汗腺炎)
慢性膿皮症は「化膿性汗腺炎」とも呼ばれる、慢性的に再発を繰り返す炎症性皮膚疾患です。毛包閉塞から炎症が始まり、やがて膿疱や結節、皮膚の深部から表面まで繋がる瘻孔(ろうこう)が形成されることがあります。典型的には腋の下、鼠径部(股の付け根)、臀部(おしり)など、皮膚同士が擦れる部位に発症しやすく、痛みや膿の排出、瘢痕(傷跡)形成を繰り返すことがあります。にきびや単純な毛嚢炎と異なり、慢性で再発が多く治療が難しい疾患であるため、専門的な診断と包括的な治療が必要です。座りっぱなしの姿勢が多い方、下着の摩擦、肥満や喫煙等の要因が影響することもあります。
症状の目安と受診のポイント
- 炎症性粉瘤
・明らかなしこりの存在
・痛み・熱感・腫脹を伴う
・自己判断で改善しない場合は皮膚科受診を検討 - 慢性膿皮症
・同じ部位で再発性の炎症や膿の排出が続く
・膿の通路(瘻孔)の形成や癒着が見られる
・生活の質に影響する炎症が持続する
当院での治療方針
当院では、炎症性粉瘤と慢性膿皮症の診断・治療において、患者さんの症状と重症度に応じて、炎症期には抗菌薬の外用・内服、必要に応じて排膿処置を行っております。炎症が落ち着いた段階で根治的治療(摘出術など)については総合病院に紹介させていただいています。また慢性膿皮症に対しては、炎症コントロール、再発予防、漢方薬や生活指導を含めた総合的なアプローチを行います。症状が続く場合は早めに受診してください。




